大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)312 判決

主 文

原判決を破棄し、本件を東京高等裁判所に差戻す。

理 由

弁護人大城朝甲の上告趣意について

記録によると、昭和二五年一月二〇日の原審第一回公判期日の召喚状が被告人に

対し執行吏による送達の方法によりなされたが、被告人の居住判明しないためその

送達が不能となつたことは所論のとおりである。原審は右期日に被告人不出頭のま

ま該期日を変更し、次回期日を同年二月二七日午前一〇時に指定すると共に、被告

人の住居、事務所及び現在地が知れないから被告人に対する召喚状その他の書類の

送達は爾後公示送達の方法によりなす旨の決定をなし、その召喚状を裁判所の掲示

場に公示し、その謄本を官報に掲載方を嘱託することによりこれを送達した。しか

し、被告人は右期日に出頭しなかつたため、原審はは該期日を変更し、更に次回期

日を同年三月一三日午前一〇時と指定した。そして、その召喚状の送達は裁判所の

掲示場に公示してなされたのであるが、被告人は右の期日にも出頭しなかつたので

原審は被告人が再度適法な召喚を受けながら期日に出頭しなかつたものとして被告

人不出頭のまま審理を遂げ原判決をなしたのである。本件で被告人の住所が東京都

台東区a町b番地にあることは記録上明らかであるのに、前示第一回公判期日の召

喚状を送達した執行吏の送達報告書によれば被告人の住所は同所c番地と記載され

ていることが認められる。従つて、かかる誤記があつたため右召喚状は適式に送達

されなかつたものである。されば原審が召喚状の送達されなかつたことから直ちに

被告人の住所が知れないときに該当するものとし、第二回及び第三回の各召喚状の

送達を公示送達の方法により施行したことは違法であり、これを前提として被告人

が再度の召喚を受けながら出頭しなかつたものとして被告人不出頭のまま審理を遂

げ原判決をなしたのは、所論の如く旧刑訴四一〇条八号に該当する法令の違反があ

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るものであつて、原判決は全部破棄さるべきものである。そのして右法令の違反は

事実の確定に影響を及ぼすべきものであるから、刑訴施行法二条旧刑訴四四七条、

四四八条ノ二一項により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 平出禾関与

昭和二六年九月一四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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